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苺な彼とビールな僕

. 情熱の人 7












~Yside~









シム・チャンミン








親父のところで何度か見かけたことはあったが、まさかこちらによこしてくるとは






父の片腕とも言える秘書室長の息子で、学生の頃から可愛がっていたのは知っていた







全く、どういうつもりなんだか………







俺のやり方についていけないと幾人か辞めていったから、人手不足には違いないが







流石に心配をしてくれたということだろうか









親父は、昔から厳しい人だった






俺がこの会社に入った時も社長の息子としてではなく、ただの新入社員としての扱いだったし







それからは悔しくてがむしゃらに働いて、そんな俺に構うようなことはなかったのに







今更何を……







それにしてもシム室長の息子は随分と美麗だったな







何より印象的だったのは溢れるようなバンビアイ






牽制するように仕事を言いつけて来てしまったけど、さて、どう出るか






………何故だろう、彼の顔ばかりが思い浮かんで








車窓から流れる景色を眺めながら、まだあったばかりの君のことばかりを考えてしまう俺だったんだ































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. 君がいるだけで 4











~Cside~









「でさ、今日はレッスンの後事務所に行って、打ち合わして、それから……」








キッチンカウンターで両ひじをついて今日あった出来事を話すユンホ君








僕がキッチンに立ってる間はずっとこんな風にしてて、まるで子供みたい、なんだよね








ユンホ君は見かけよりずっと甘えん坊さんなんだ///








そして、そんな風にされるのが嬉しいなんて、自分でも知らなかった一面だな








ま、それもこれもユンホ君だから……










「ねえチャンミン聞いてる?」




「………へっ?///」




「………なんか今にやけてた」




「ええ!?そ、そんなことない、よ?///」




「ふうん?ね、明日休みだよね!!」




「あ、うん///」




「じゃあさ、映画見よ!!お菓子いっぱい買ってきたんだ!!」




「え、映画?」




「うん!!一緒に見たいって思ってたやつ!!チャンミンも絶対好きだから!!」




「ふふ///はい」











そう言ってお菓子の入った袋を得意げに見せるユンホ君に、思わず笑ってしまった僕だったんだ
























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. 情熱の人 6












~Cslde~









積み上げられた書類の山を目にして思わず息を呑んでしまった






でも、これはやるしかない、よね!!







とりあえずは分けられてるであろう束をいくつかとって自分のデスクに運んでいく






ここでぶちまけたらおしまいだから慎重に






ファイルやインデックスは好きに使っていいとリョウクさんから言われたものの、一体なんの書類なのかもわからないのに






とりあえずはパラパラと捲って内容を確認、カテゴリごとにファイルしてタイトルもつけて







うん、こういう作業はもともと嫌いじゃない、細かいことは得意な方だからきっと今日中には終われそう







そして夢中で作業を繰り返した結果、夕方にはあらかた終わったんだけど







この書類だけ揃ってないような……








最後に残された書類の山は、さっきまでのと違ってどう見ても揃ってないように思える






他のものはぐちゃぐちゃに見えて内容だけはしっかりと分けられていたから








「シムさん凄いね、全部終わったの?」



「あ、いえ、まだ一つ残ってて」



「そろそろ終わってもいいよ、もうすぐ社長も帰ってくるだろうし、初日から残業なんて」



「いや、このまま帰るのも気持ち悪いんで、出来たらやらせて貰えませんか?」




「そう?じゃあ僕は隣の資料室にいるから何かあったら声かけて?」



「あ、はい」







仕事が終わってないと言いながら、本当はあのアーモンドの瞳をもう一度見たいだけなんて







とてもじゃないけど、言えないよね






































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. 君がいるだけで 3












~Yside~










「で、どうなんだよ最近」



「何がだよ」



「決まってんだろ!!あの綺麗な人とだよ!!くうう~同棲とかやばいな!!」



「ばっ!!な、何言ってんだドンへ!!///」







今日はレッスンが早くに終わったから、珍しくドンへと時間を合わせてカフェに来たんだけど






全く!!真昼間っから何言ってんだ!!






熱くなった顔を誤魔化すようにパタパタと扇ぐけど、ニヤニヤと見つめられて居心地が悪いったら







「……そんなんじゃねぇよ」



「へっ?まだなんもしてねーの?」



「なんもって、そりゃキスくらいは、その………///」



「ぷっ……ユノの顔!!」



「るせっ!!」



「大切なんだな、チャンミンさんのこと」



「……当たり前だろ///」








人の顔を見てゲラゲラと笑ってた割には、神妙な顔してそんなセリフ






そう、チャンミンは俺の大切な恋人、かけがないの人






そう思うと簡単には手を出すことなんて出来なくて







それでも揺れる瞳に理性を保つのが大変で、毎日逃げるようにベッドに入る俺だったんだ


















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. 情熱の人 5










~Cside~












『君って親父んとこから来た新人?』








いきなり声をかけられて心臓が止まるかと思った








黒目がちな切れ長の瞳がキラリと光った気がして、なんだろ、違う意味でドキドキしてしまった///







「あの、大丈夫ですか?」



「あ!!すいません、今日からお世話になるシム・チャンミンです」



「こちらこそよろしく、リョウクって呼んでください、うちの社長がなんかすいません(笑)」




「あ……いえ///」




「こちらへどうぞ、案内します、あ!!シムさんのデスクも用意してありますから」




「は、はい」







そう言ってにっこりと笑うリョウクさんに思わず頬が緩む






まったく、来て早々にこんな遭遇とか波乱の予感しかないよ







「ここがシムさんのデスク、で、奥の部屋が社長室になります」



「は、はい、えっと、書類って……」



「ああ、そうだった!!中に積み上がってるから持ってきてもらっていい?全く仕事は早いんだけど雑なんだよね~」







………そ、そうなんだ、なんだかイメージが違う気もするけど








僕は一応ノックをして社長室へ足を踏み入れると、大きなデスクに積み上げられた書類に、盛大に溜息をついたんだ





































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. 君がいるだけで 2












~Cside~











……あれから僕らは恋人になった








毎日の甘い生活は夢のようで、まさか自分がこんな風になるとは思いもしなかったけど







ユンホ君がいることが当たり前になってしまった







告白の時に僕からキスしてしまったから、その……軽いキスは毎日してるけど







その先にはまだ、進めていない







だってね、僕の方が年上だし、どう見たって可愛くないし







そういうのってやっぱり気にしてしまう、よね







『チャンミン好きだ』







そう言って僕を見つめる瞳に嘘なんて一つもなくて








毎日のように好きだって言われているのに、僕って本当にネガティブで







自分で自分が嫌になってしまう………







それでも君のために何が出来るか、とか、考えるだけで幸せな気持ちになってしまうのは







惚れた弱みなのかもしれない……























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. 情熱の人 4













~Cside~











「君って親父んとこから来た新人?」



「あ、はい!!」







突然声をかけられてはっと顔を上げる、低く響く声は怒ったようにも聞こえて思わずフリーズしてしまった





………や、やっぱり社長、だよね?





以前見た時とは随分雰囲気が変わったような……







呆然とする僕をまじまじと見つめる瞳は鋭くて思わず怯んでしまうけど






ゆらりと揺れるアーモンドの瞳から目が離せないとか!!///








「じゃあ直ぐに仕事できんだろ?俺の机にある書類片付けておいてくれないか」




「………へっ?あ!!はい」




「詳しくは中にいる奴に聞いてくれ、おい、リョウク!!」




「はーい!!」




「し、社長!!」




「随分と積み上がってるが一応分けてある、見りゃわかるから俺が戻るまでにファイリングしておいてくれ」




「あ!!えっと、わかりました!!」




「うん、良い返事だ、頼む」








そう言って颯爽とエレベーターに乗り込む後ろ姿に、不覚にも見惚れてしまった僕だったんだ




































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. 君がいるだけで 1














~Yside~










「はい、今日はここまで、お疲れ様!!」




「「「ありがとうございました!!」」」








あれから俺はやっとダンサーとしての道を歩み始めた







まだバイトは続けているものの、バックダンサーとしての仕事も入ったし、舞台に出ないかって話もある







事務所にはもっとガンガンオーディションを受けて上を目指せって言われてるけど







そこまではまだ気持ちがついていかないのが現状、かな







だってね、今やってるバックダンサーの仕事が思いの外合ってる気がするんだ








アーティストを中心に仲間達と一緒にステージを作り上げてくって事がとても楽しくて








チャンミンにも話してみたら『ユンホ君がやりたい事をやればいいよ』なんて言われちゃって








嬉しくて抱きついたら、思い切り突っぱねられてしまった







先々は引っ越して二人で一緒に住めたらって思ってるけど







チャンミンはどう思ってるんだろう……







毎日一緒にいるのに中々言い出せなくて、ただ、あなたを抱きしめる事しか出来ない俺なんだ






















































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. 情熱の人 3












~Cside~










「いらっしゃいませ」



「……あ、いえ、今日からこちらでお世話になるシム・チャンミンです」



「あ!!失礼しました、どうぞ、ご案内しますね」



「あ、はい」






そう言って席を立つ受付の女の子、今日は遅めに出勤するように言われていたから、来客だと思われても仕方ない、よね







本社の受付ともなると美人だな、なんて感心しながら後をついて行く







彼女はエレベーターに乗って秘書室の前まで案内してくれると、丁寧に頭を下げて去っていった







さて、いよいよだな……







そう思って入り口でノックしようとした瞬間、扉が開いてバタバタと中から人が飛び出してきた






一人は紺のスーツにネクタイ、もう一人はグレーの品のいいスーツに明るい髪で







あ、この人ってもしかして……?








「い、今すぐにですか!?」



「ああ、手配を頼む』



「で、では車を回しますので少しお待ちください」



「五分で頼む、時間がないんだ」




「は、はい!!あれ?君?」




「あ!!すいません、今日からお世話になるシム・チャンミンです」



「ああ、今日からだったね、すまないが今取り込んでて、とりあえず中で待っててくれないか」



「あ、はい」








そう言ってすまなさそうにする紺のスーツの男性の後ろから、切れ長の瞳が僕を睨んでいた事を、この時の僕は知る由もなかったんだ



























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. 迷惑な同居人 41












~Cside~











「チャンミン行ってきます!!」



「行ってらっしゃい、気をつけて」



「あ!!忘れ物!!」



「……へっ?んっ///」




「ふふ、行ってきます」






そう言って満面の笑みで家を出て行くユンホ君






玄関で靴を履きながら振り向きざまにキスとか、いつの間にそんな……///






ユンホ君の告白以来僕達は恋人同士になった






流石にシウォンさんには打ち明けなきゃって思って、この前連絡したけど







『家は自由に使っていいから』







なんて余裕の返事が返ってきて、こっちが恐縮してしまった







ユンホ君はオーディションに合格してからバックダンサーの仕事が貰えるようになって、また練習に勤しんでいる







次の月には初給料が貰えるから、何かご馳走してくれるらしいけど







『チャンミンの好きなもの何でも食わせてやる』







とか、大きなこと言うから思わず吹き出してしまった








それよりご両親に何かしてあげなきゃって話したら考え込んでいたけど








『そんなチャンミンだから好きなんだ』







そう言ってぎゅうぎゅうと抱きしめられちゃって、甘い雰囲気も何もあったもんじゃない







まだ始まったばかりの僕達だから、二人でゆっくり一つずつ








君を好きな事に変わりはないから……!!




































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. プロフィール

紫苑☆

Author:紫苑☆
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