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苺な彼とビールな僕

. やっぱり君が好き 17











~Cside~










ユンホさんに会いたくて追いかけた筈なのに、あの女優さんと話してるのを見たらもうダメだった







だってあの二人さっきキス、したんだ……






いくら演技でも自分の好きな人のラブシーンとか辛すぎる






わざわざ見に来て落ち込んでるとか、僕って本当にバカだよね






それでも声をかけずにはいられなくて、でも、ユンホさんの顔を見た途端いたたまれなくなっちゃって






………結局は逃げ出してしまった






トボトボと歩き出すけど行くあてなんて勿論なくて、あちこちの公園を点々としてみたけど





最後に辿り着いたのはやっぱりユンホさんのマンションだった






………まだ、帰ってるわけないか






いや、帰ってたとしても会いに行くことなんてとてもできそうもない





一体なんて思っただろう………あんなところまで追いかけて行くなんて……






………わ、別れちゃうかもしれない、な







「………うっ」






溢れそうになる涙をグッと堪える、こんな所ででっかい男が泣いてるとか不審でしかないのに







見上げる空には星なんて全く見えなくて、僕はまた当てもなく歩き出すしか無かったんだ



























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. あの夏を忘れない 3











~Cside~









………嘘だろ






課長から貰った資料を何気なく捲ったそのページに書かれていた名前






チョン・ユンホ






まさかと思い何度も見返すけどその名前に間違いはない、おまけに資料として写真までプリントアウトしてあるし







本社からくるエリートって先輩、だったんだ







僕より二つ上の生徒会長、高校でも人気者でいつでも皆んなに囲まれていた






ずっと憧れていて話すことも滅多になかったから生徒会に立候補したんだっけ







あまり人付き合いの得意でない僕にとても良くしてくれた人








いつしか僕は彼に惹かれるようになって、それから…………







思わず頭を抱え込む僕に同僚が気の毒そうな視線をくれるけど、そんな場合じゃないんだ







これは………正直言ってヤバイ!!






まさか同系列の会社に就職していたとか聞いてないし!!






アメリカの大学へ進んだことは聞いていたけど、何で今更こんなことに







だってチョン先輩は…………







「チャンミン?」



「…へえっ?」



「何その声、課長の話どうだった?」










ニヤニヤとしながら僕の顔を覗き込むキュヒョンに、悪い予感しかない僕だったんだ






























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. やっぱり君が好き 16










~Yside~










『…………ユ、ユンホさん、あの……///』








突然草むらの中から現れたチャンミンは何故か悲壮な顔で俺を見つめていた





……やっぱりさっき見たのは見間違いじゃなかったんだ








「チャンミン!!」




「…………」




「どうしてここに?来るなら連絡くれたらよかったのに」



「………あ、あの……///」




「うん?」




「………こ、こんなとこまで来てごめんなさい!!僕やっぱり帰ります!!」




「えっ?おい!!」










ぺこりと頭を下げるとあっという間に走り去っていく後ろ姿を呆然と見つめる






意外と足が速いのに驚いたけど、これは追いかけた方がいいんじゃないか?







ユジンと話していたのも見られていたようだし、何か誤解しているのかもしれない







全く、我が恋人の行動は予想もつかないな(笑)







とりあえずはスタジオに荷物を取りに行き、スタッフ達に帰る旨を伝えるとタクシーへと飛び乗った







さて、どこにいるのやら……







トボトボと街を歩く君の姿が思い浮かんで、気持ちばかりが焦ってしまう俺だったんだ
























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. あの夏を忘れない 2










~Cside~










『でだ!!僕達は総力を挙げてその人にゴマを擦らなきゃいけないんだ!!』








ハンバーガー片手に力説してたキュヒョンの言葉が、まさか本当になってしまうなんて……







上司から呼び出されたのはそんな話をした数日後のことだった







「おい、シム」



「あ、はい」



「お前に特別任務を言い渡す」



「………はっ?」



「次のプロジェクトチームの中心となる人物の補佐を頼みたい」



「……はあ」



「来週本社から人が来るんだよ、お前なら仕事も早いし機転も利く、是非とも我が社存続の為に頑張って欲しい」







デスクに肘をついて僕を見つめるパク課長、屈託のない笑顔がやけに白々しく感じるのは気のせいだろうか





あまりに急な話に頭がついていかないけど、これってその人の面倒を全般的に見ろってことじゃあ………





「パク課長、あの……?」



「お前に拒否権はない、これがその人の資料だ、この辺りは初めてらしいから色々と案内してやってくれ!!」



「……はあ」







そう言ってニッコリと笑うパク課長に、不安しかない僕だったんだ

















































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. やっぱり君が好き 15











~Cside~










『で、どういう関係なんです?』









そう言って詰め寄るミノに思わず後ずさりする僕、どういう関係って、そんなの………






~実は付き合ってます~






なんて、言えるわけないじゃないか!!///






今まさに大事なところで、僕のユンホさんのその……アレなシーンを見るためにここにきたのに






ミノに問い詰められていた間になんだかんだと撮影は終わってしまっていた






でも………遠目からユンホさんが口を拭うのが見えて頭をガンと打ち付けられる気がした






ああ、やっちゃったんだ……







今までだってそういうシーンは見てきた筈なのに、ここにきて往生際が悪すぎる、よね







もっと凄いシーンだってあったのに………






「先輩?」



「ミノありがとっ、またね!!」



「ちょっ、先輩!?」






僕はミノにお礼だけ言うとその場を走り出した







撮影の片付けに追われるスタッフに紛れてユンホさんが一人で歩いて行くのが見えたから









今はとにかくあなたに会いたい!!








遠くなる後ろ姿を必死に追いかけて声をかけようとすると







さっきの女優さんが突然現れて、僕は思わず草むらに隠れたんだ





























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. あの夏を忘れない 1










~Cside~








『俺たちさ、別れないか?』








遠いあの夏の日、うだるような暑さの中煩いほどの蝉の声が響いて






僕はただ、頷くことしか出来なかったんだ………












「え?新しい人?」



「ああ、なんでも本社ではエリート中のエリートらしいぜ?海外支社にいたとか」



「ふうん?で、なんでそんなエリートがうちの会社にくるのさ?」



「社長の考えで子会社の活性化を図るって話だけど、本当は要らないとこを切るためだって話」



「………へぇ」







ハンバーガーを食べながら力説するキュヒョンをマジマジと眺める





一体どこからそんな情報が流れてくるんだか……





おそらくまた先輩のヒチョルさんあたりからだろうけど、面白がってるとしか思えないのはその緊迫感のなさ、かな






「なんだよ、もっと反応してくれよ~」



「……へっ?」



「なんか反応薄いんだって!!うちの会社の危機なんだぜ?」



「ぷっ……何それ」




「もしかしたら職を失うかもしれないじゃん!!」



「……確かにそれは困る」




「だろ~?」






あまりのキュヒョンの迫力に頷くことしかできない僕、ああ、口の端にケチャップなんてつけちゃって






「でだ!!僕達は総力を挙げてその人にゴマを擦らなきゃいけないんだ!!」



「………はっ?」



「だからチャンミン、協力してくれよな?」



「……あ、うん///」








口の周りにケチャップをつけたまま僕の手をぎゅうぎゅうと握るキュヒョンに、ウエットティッシュを投げつけてやったんだ






























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. やっぱり君が好き 14










~Yside~







「はーい、オッケーです!!お疲れ様でした~」







なんとかキスシーンを終えてホッと一息をつく、しかしまさかユジンがあんな事をするとは……





リハーサルでは本当にキスをする予定ではなかった、何故ならカメラからは見えない位置ではあったし





監督がユジンのメンタルのことを考えての判断だったと思うのに






カメラが回り出した瞬間に後ろから抱き着いた彼女は、寸前で顔を止めた俺にチュッと音を立てて唇を重ねた





その後駆け出す設定になっていたから、驚いた演技には差し支えはなかったが






ちらりと振り返る彼女は悪戯っぽく笑顔を浮かべて知らんぷりを決め込む






唖然としているのは俺とスタッフの方で、まったく今時の子っていうのは……







「なんだよユジン~」



「ふふ、ご心配おかけしてすいませんでした」



「ユノが一番びっくりしてたぞ、お前度胸座り過ぎだな」



「よーし、飯だ飯だ!!みんな行くぞ~」






撮影も無事に終わり打ち上げだと盛り上がるスタッフ達、俺はさっさと抜けるとしよう





スマホを片手にマネージャーに帰ることを伝えると、慌てて追いかけてきたのはユジンだった





「あの……お疲れ様でした!!打ち上げには行かれないんですか?」



「ん、ああ、人を待たせているんだ」



「なんだ残念~」






両手をぎゅうぎゅうと握るユジンを愛想笑いでやり過ごし、荷物を取りにスタジオへ向かおうとすると草むらで何かが動いた







「……誰かいるのか?」



「………ユ、ユンホさん、あの……///」








ガサリと音を立てて草の陰から現れたのは、ここにいるはずのないチャンミンだったんだ


























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. あなたの胸で眠りたい 20










~Yside~








「へぇ、じゃあチャンミンはドンへさんの店で働くことになったんですか」



「ああ、まだ見習いだけどな」



「ふうん、マスターは絶対出さないと思ってたな」



「?」




「だって絵に描いたような独占欲……ぷっ」




「テミン!!」







そう言ってニヤニヤと俺に視線を向けるテミン







全く何が言いたいんだか………






最近はチャンミンが世話をかけてるからあまり言い返せないのが辛いところ、だな






あれからチャンミンはドンへのカフェへ週に3回ほど通う事になった






メインとなるのはランチの仕込み、人出が少ないから注文を聞いてすぐに出せるようにしておくらしい





最初はレストランにする予定だったが、オフィス街にある立地を生かさないわけにはいかないだろう





資金繰りも大変だったようだし……






「で?今日は来ないんですか?」



「いや、一旦家に帰ってから来る」



「ふふ、まるで嫁ですね」



「!!!!」



「うわ、マスターが照れてるとこ初めて見た~」



「おいテミン!!」



「当たらずとも遠からずでしょ?」






クスクスと笑って店の奥に消えていくテミンに大きく溜息をつく






嫁、か………






当たらずとも遠からず……そうかもしれない







ずっと一緒にいることは変わらないから



ずっと愛し続けるから


























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. やっぱり君が好き 13










~Cside~









「あ、やってるやってる」



「うわ///」



「今から始まる感じかな~」








偶然出会ったミノに連れてきてもらったユンホさんの撮影現場、まさか外でやってるとか、なんてタイミングなんだろう





実はこういうのって間近で見るのは初めて、なんだよね





ユンホさんから話はよく聞かされているけど、やっぱり現場は全然雰囲気が違うんだ






思ったより人が多くて見えにくいけど、ここで役に立つのがこの背の高さ





大勢のスタッフ達に紛れて見えるのはスーツに身を包んだ長身のシルエット






………いた!!






ユンホさんてばやっぱり今日もカッコいい///






思わずうっとりと見惚れる僕、ああ、でもこれから二人は寄り添ってあのシーンを………






あ、ヤバイ、また落ち込んできた(泣)







そしてそんな僕に御構い無しにミノが追い打ちをかけてくる






「ラブシーンみたいですね、羨ましいな~あの子今巷で人気なんですよね!!」



「へ、へぇ……」



「チョンさんは落ち着いてるな~流石大人の男って感じですよね」



「う、うん///」



「で、どういう関係なんです?」



「………へっ?///」



「もうとぼけちゃって!!チョンさんですよ!!どこで知りあったんです?」








そう言ってニッコリと笑うミノの笑顔に、曖昧に返事をすることしか出来ない僕だったんだ



























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. あなたの胸で眠りたい 19











~Cside~









「……え?僕がその人の店に?」



「ああ、週に何度かでも行ってみないか?料理の勉強にもなるだろう?」






二人で遅めの朝食を摂った後ソファでテレビを見ていたはずなのに、いつの間にか僕はユノの腕の中にいて






真面目な顔して何を言われるのかと思ったら……







「どうした?嫌か?」



「……ううん、嫌とかじゃなくて……でも、僕なんかが手伝いに行っていいのかなって、あと……」



「うん?」



「……ユノの店のことだって」



「なんだ、心配してくれんのか?」



「………///」



「あくまで手伝いだ、メインはこっち、俺の親友を助けてやってくれないか?」






そう言って優しく微笑むアーモンドアイ、ほんとかっこよ過ぎて困ってしまう///







そっか……






ドンへさんってユノの親友なんだよね、何度か店には来たことあるけど、ちゃんと話したこととかなかったから








「ドンへはさ、ああ見えて一流のシェフだから、色々教わるといい」



「………///」



「本当はこうして腕の中に閉じ込めておきたいけどな」



「!!!!///」









そう言って僕の髪を撫でるユノがいちいちかっこよ過ぎて、とても心臓が持ちそうもない僕だったんだ












































































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. プロフィール

紫苑☆

Author:紫苑☆
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