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苺な彼とビールな僕

. 恋する君は花の香り 25












~Yside~










「え?変わった?」




「うん、甘く」




「……そうかな、自分ではわかんない」




「そうなの?こんなにいい匂いなのに」




「全然……気持ち悪いでしょう?」








そう言ってシュンとしてしまった君、まさかそんな事を言われるとは思わなかった







………あれから俺達は付き合うようになった







まだ少し距離は感じる気もするけど、少しずつ近づいていけたらって思ってる







今日だってどうしても会いたくて、君のアパートを訪ねてしまったのに






そんな悲しい顔をさせてしまうなんて……







「チャンミン、自分の匂いが嫌いなの?」




「だって、生まれつき香りを持っているなんて……」




「俺の一番好きなとこなのに?」




「……え?///」




「この香りのお陰で君とまた出会えたんだ、最高の香りだと思うけど?」




「………///」




「おいで?」







そっと抱き寄せるとキュッと身を硬くするから堪らなくなる






生まれつき香りを持っているなんて、自分としては得体の知れないことなんだろう







「全部がね、好きなんだ」



「………///」



「君の香りごと、ね?」



「……ユノ///」







ゆっくりでいい、ゆっくりで



君をずっと護るから



ずっと愛していくから







腕の中で香る甘い匂いに酔いしれながら綺麗な首筋に顔を埋める








この後調子に乗りすぎてちょっと怒られちゃったけどね




















































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. 恋する君は花の香り 24













~Cside~











『イエスって言って?俺の恋人になって?』








ちょっと強引な告白だったけど、こういうのもユノらしくていいか、なんて……







結局僕もユノが好き、なんだよね……








そして『はい』って言ったくせにまともに顔なんて見てられなくて俯いてしまう僕







だってこんなシチュエーションとか甘すぎだもの///








そんな僕をふわりと抱き寄せて髪にキスとか、ちょっと慣れた風なのが癪に触る///








その後はお互いに照れ臭くてくっついたまま何も話せなくて







看護師さんが急に入ってきて、そういや点滴したままだった、なんて思い出して







二人で顔を見合わせて笑ってしまった








まだまだ不安なことはいっぱいあるけど、大切なのは自分の気持ちに正直になること








ユノは僕が好きで


僕もユノが好き








今はその気持ちを大切にしたい……









その日付き添いで泊まってくれたユノの寝顔を見ながら、とても温かい気持ちになれた僕だったんだ
































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. 恋する君は花の香り 23












~Yside~











「チャンミン!!」




「ユ、ユノ?///」









タクシーを転がるように降りて病院の受付へと、病室を確認するとエレベーターも待っていられず階段を駆け上がった







大丈夫だとは聞いていても急がずにはいられない、君の無事をこの目で確かめたいんだ








病室に入ればベッドに横たわる君、腕には痛々しく点滴がされていて胸がグッと苦しくなる






「チャンミン……」




「来て、くれたんだ///」




「当たり前だろ?で、具合は?」




「うん、大丈夫、ごめんね」






そう言って微笑む君は儚げで、今にも消えてしまいそう







ベッドの脇に座って片方の手を両手で包みこめば、恥ずかしそうに目を伏せるから思わずコツンと額を寄せた







「!!!!ユ、ユノ?///」




「ずっと俺が側にいるから」




「………え?///」




「ずっと俺が護るから」




「……ユノ///」




「イエスって言って?俺の恋人になって?」




「…………はい///」








ふわりと頷く君の笑顔が眩しくて、俯いてしまった君の髪にそっと唇を落としたんだ



















































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. 恋する君は花の香り 22












~Cside~









「チョンさんには一応連絡しておいたから」




「ありがとうございます、店長」




「母さんには連絡しなくていいのか?」




「あ、はい、過剰に心配するんで」





「そうか、じゃ仕事に戻るから、また後でな」





「あ、あの、店長!!本当に迷惑かけちゃって……」





「バカ、何言ってんだ、とにかく安静にしてろよ」









そう言ってニッコリと笑う店長に胸が熱くなる






本当に店長にはお世話になりっぱなしで頭が上がらない






数年前まではこういう事もあったから気をつけていた筈なのに







疲れていたのかな……







バイト終わりにユノと約束していたから、連絡だけはと思ったけど






店長の話では心配してこっちに向かってるそう






本音を言えばそばにいて欲しかったから、来てくれるのは本当に有難い










びっくりしたよね、きっと……






もう、随分前に僕は一度ストーカーの被害に遭っていて







精神的にとても不安定な時期があった……







あの頃は子供だったし、対処の方法もわからずに怖い思いばかりが記憶に残って







時々思い出しては身震いするような悪寒に襲われる







まあ、僕がこんなに大きくなっちゃったから流石に諦めたみたいだけど








よく一人で家で泣いていたっけ








ベッドの上でぼんやりと天井を眺めていると、病室の外からバタバタと足音が聞こえる







………あの足音は







「チャンミン!!」







僕の名前を呼びながら勢いよくドアから飛び込んできたのは、スーツ姿のユノその人だったんだ






































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. 恋する君は花の香り 21












~Yside~










俺が告白してから数日経った日のこと









ちょうど会社帰りにチャンミンのバイト先に寄ろうと帰る用意をしていた時だった







見慣れない電話番号、なんだか嫌な予感がして慌ててスマホをタップする







『もしもし?チョンさんですか?』




「あ、はい、えっと?」




『ああ、突然すいません、僕はチャンミンのバイト先で店長をしているイと言います』




「ああ!!え……それで……チャンミンに何か?」




『それが……今病院におりまして、お仕事中かとは思ったんですが一応連絡を』




「び、病院!?」




『はい、急に倒れたんです、あ!!今は落ち着いてるんですが』









………倒れた、だって?







イ店長の言葉に頭が真っ白になる、昨日の夜は普通に連絡を取り合っていたのに






聞けば運ばれたのは近くの大学病院で、俺と会う約束をしていた事を聞いていたらしくわざわざ連絡をくれたらしい







心配はないと言われたが、いてもたってもいられずタクシーへと飛び乗った







何か、あったのか?







もしかしたら行っても迷惑なだけかもしれないけど、どうしてもこの目で無事を確かめたい









チャンミン、今すぐ会いたい!!










タクシーの中で両手を組みじっと目を閉じると、早く君の元へ行けるようにとひたすらに願ったんだ

























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紫苑☆

Author:紫苑☆
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