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苺な彼とビールな僕

. チョン家の日常 16









~Yside~







ハルが熱を出してからチャンミンが少し変わった






それまで張り詰めていたものが取れたっていうか、少し余裕が出てきたっていうか






あれからハルを病院に連れて行くと、確かに風邪気味だってのもあったけど、やっぱり着せすぎだったらしい





赤ん坊ってのは体温の調節が難しいんだって実感した





子育てなんてどれが正解かわからないから、手探りでやってくしかないけど




こうして導いてくれる人もいるから、俺達はどうにかやっていけるんだよな




だからさ、俺はチャンミンを褒めてやろうと思うんだ





お前はよくやってるよ、いい母親してる





そんな風に言うと、少しはにかみながら笑うから、これは効果があるんだと思う





頑張ってる人に頑張れって言うのはどうかと思うけど




やっぱりそれしか言えないから、なにも言わないよりは口にした方がいいと思うんだ







「チャンミンさ、なんか逞しくなったよな?」


「……何、それって太ったってこと?///」


「ちげーよ、頼り甲斐が出てきたっていうか、安心して見てられる」


「ふうん?」


「愛してるよ」


「……急に何?変なユノ///」






怪訝そうに睨みながら耳まで真っ赤に染めるお前を、やっぱり抱き締めずにはいられない俺だったんだ




































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. チョン家の日常 15









~Cside~








ユノが帰ってきてくれて本当に良かった……






ハルの様子がいつもと違うだけでこんなに動揺してしまうなんて





病院に問い合わせたものの自分でも何してるのかわかんなくなっちゃって





ユノに言われて部屋の温度を下げると、ハルの顔色も少し戻ったような気がする





……暑かった、のかな?





ユノに言われて水分補給もたっぷりとしてやると、それまでぐずっていたのが嘘のように大人しくなった




それにしてもユノが赤ちゃんの扱いにこんなに慣れてるなんて……






「ん、大したことなさそうだ」



「………あの、ユノ」



「昔さ、ミノがよく熱を出してて」



「……え?」



「ばあちゃんの横でずっと見てたから、慣れてんだよな、俺」





にっこりと笑うユノの笑顔に張り詰めていた糸が一気に切れて、僕はへなへなとその場にしゃがみ込んでしまう





「チャンミン!!」


「……ごめん、安心したら僕……」




グッと腕を引かれてユノの腕の中に閉じ込められる、ああ、やっぱり僕にはユノが必要なんだ





「そんなさ、一人で頑張んなくていいから」



「………ユノ」



「意外と頼りになるんだぜ?」



「………///」



「もっと甘えろって、な?」



「………うん///」





そうだよね、まだ僕は母親一年生

甘えたって泣きごと言ったっていいんだよね






僕はユノの背中に腕を回して、その温かい胸にそっと顔を埋めたんだ








































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. チョン家の日常 14









~Yside~







「ただいま……って、チャンミン?」



「あ……ユノ!?」






仕事を早めに終えて帰宅すれば、慌てた様子のチャンミンがこちらへと駆け寄ってくる




……驚かせてやろうと思ったのに、何かあったのか?





「ユノ……ユノ、ハルがね……あの……」





目にいっぱい涙を溜めて何か言おうとするけど、言葉にならなくてぎゅっと抱きついてくる







「ハルがどうした?」


「……ね、熱出してて」


「熱!?」


「……病院に電話したらね、少し様子見て連れてきてくださいって……だから、僕……」


「チャンミン……」






きっと1人で心細かったんだろう、こんなにも肩を震わせて





「ぼ、僕がちゃんとみてれば……!!」



「バカ、何言ってんだ、子供なんてしょっちゅう熱とか出すもんだろ」



「で、でも!!」



「お前が悪いわけじゃねーよ、で?病院連れてくのか?」



「あ……熱が上がるようならって……」



「ん、そっか」





とりあえずベッドルームへ向かうと、確かに顔も赤いしいつもとは様子が違う気がする




しかしこの部屋暑すぎじゃねーか?それにハルだってモコモコと着せられてるし





「チャンミンちょっと部屋の温度下げて?」



「……え?」



「暑過ぎてむせそうだ、あとハルももう少し薄着でいいよ」



「でも、あの……」



「落ち着けって、俺がいんだからさ、な?」



「………はい///」






オロオロとするチャンミンの頬を両手で挟んで、落ち着かせるように優しく言い聞かせたんだ



































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. チョン家の日常 13









~Cside~








遅めの昼食を終えてやっと一息をつく、朝は珍しくぐずっていたハルも今はすうすうと寝息をたてていて




泣かれると家事が中断するから遅くなっちゃうんだよね




子育てに専念したい気持ちもあるけど、こんなに閉じこもりきりじゃ自分的にもよくない気がするし




ユノにも相談しなきゃいけないな……





今朝も出ていくユノに小言を言ってしまったから、とても気まずい雰囲気だったし






「ねえ、ハル、僕はダメな奥さんだよね」






眠ったままのハルの髪をそっと撫でる、瞑ったままでもわかる長い睫毛、アーモンドの瞳はまるでユノをそっくり写し取ったようで




…いつまで見てても飽きないんだよね///




あ……れ?でもなんだがいつもより顔色が……?





そっと額に手を置くとフニャフニャと泣き出すから慌てて抱きあげる




やっぱり体が熱い気がする!!これってもしかして……熱!?





新生児はお母さんから免疫を貰ってるから風邪は引きにくいって聞いていたから




何か他の病気だったらどうしよう………





ハルを抱いたまま呆然と立ち尽くす僕、いったいどうしたら





家の中の暖房は万全だし、ハルには暖かい肌着も着せて寒くないように気をつけていたのに





とりあえず病院に連絡して、それから!!





僕はハルを抱いたままスマホを手に取ると、震える手で病院の番号をタップしたんだ
































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. チョン家の日常 12










~Yside~








なんだろう、ここ最近チャンミンの様子がおかしい気がする





いつもと変わんないように見えて、どこか寂しげで遠くに感じて




急に強い口調になってハッと口を押さえたり





………何か不安なことでもあるんだろうか





ハルだって順調に大きくなってるしなんの問題も無いように思えるのに……









「愛情不足なんじゃないですか?」





休憩室で俺があんまり考え込んでるから、テミンが見兼ねて声をかけてくる




そんなこと言われても、俺はいつだって愛情たっぷりだし!!チャンミンへの愛は溢れんばかりだし!!





「お前ね~俺がどんだけチャンミンのこと愛してるか!!」


「毎日愛してるって言ってますか?」


「………へ?///」


「毎日ぎゅっと抱きしめてあげてますか?」


「そ、それは……ハルもいることだし」


「それがダメなんですよ~、チャンミンさんは一人で家にいることが多いから滅入っちゃうんですよ!!」


「………あ!!」



「人の心の中なんて見えないんですからね!!言葉にするって大事なんですよ!!」



「お、おう…」






そうだな、考えてみればそうだよな、人の心の中なんて誰にも見えないんだから




言葉にしなきゃ伝わらないことだってある




愛してることが当たり前になりすぎて、伝えるのを怠ってしまったら




不安になっちまうかも、だよな…





ただでさえ環境が変わって不安定な時期なのに、ハルに遠慮してるのは俺の方かもしれない





……ちゃんと伝えなきゃ!!





そう思うと居ても立っても居られなくて、俺は仕事を早めに切り上げると急いで会社を飛び出したんだ





































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. プロフィール

紫苑☆

Author:紫苑☆
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