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苺な彼とビールな僕

. 七夕の夜に











~Cside~









「……え?遅れる?」



「ああ、天候不良でな、1日遅れるそうだ」



「……そう、ですか」



「心配するなって、きっと大丈夫だ」



「……はい」






香港で落ち合う筈だったユノヒョンから天候が悪いことは聞いていたけど





やっぱりエアーにも影響が出ていたんだ





香港に向けてのリハーサルもそこそこに、単独の仕事の撮影で一足先に出国したユノヒョン





『お土産買って来るから』





そんな呑気なことを言って別れたのは1週間ほど前だろうか





それでなくてもハードスケジュールなのに、単独の仕事も海外だなんて





ま、あの人の事だから結構楽しんでる、かな






心配してメッセージを送ったら秒で折り返し電話がきて焦ったけど






『あーはーはーは!!チャンミナは心配しすぎなんだよ!!』





なんて能天気なこと言われちゃって、思わず苦笑いしてしまった






どこまでもポジティブなくせに繊細なあの人は、きっとホテルでもダンスの練習とかしているんだろう






香港の会場は狭いから動線も変わるし、僕がキチンと覚えておかなきゃ






いつだって真面目でリハーサルだって全力なくせに、ステージに夢中になり過ぎると周りが見えなくなっちゃって違う方に行ってしまったりして







でも、そんな時に照れ臭そうに笑う笑顔が見れるのもまたいいなんて






僕も大概ユノヒョンのファンなんだって思う……






大きな窓から見える夜景はキラキラと輝いて、まるで天の川みたいに見えてくる






七夕に会えるなんて随分ロマンティックじゃないか






一つ息を吐いてベッドへと入ると、画面に表示されるのは恋しい人からのメッセージ






『チャンミナ待ってて、飛行機がダメなら泳いででも行くから!!』







そんな笑っちゃうようなメッセージが胸にジンと沁みてくる






ねぇ、ユノヒョン、早く僕の隣に来て


早く二人でステージに立ちたいよ


あなたがいないと何も始まらない








いつだって僕らは二人で一つなのだから







































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. チョコより甘い君だから










~Cside~







『何、チャンミン今日予定ないの?』


『あ、わかった!!オリンピック見るんだ~?』


『家で誰か待ってんじゃないの?』






1日の仕事を終え、馴染みのあるスタッフ達に好き勝手言われながら事務所を出る僕






全く、人の事より自分の心配しろって(笑)





最近はカムバを控えての打ち合わせやリハーサルで忙しく毎日を過ごしている




合間に撮影もあったり、バラエティの出演が決まったり




事は順調に進んでいるように見える




僕が転役してからというもの、怒涛のスケジュールで息をつく暇もないほどだったけど




日本でのツアーも終えて少しは落ち着いた、かな





韓国に戻ってからはユノヒョンとは別々の仕事も多くなるから、不意に心細くなったりもする




でも、心は前よりずっと近くにあるから割と平気なんだよね




あいも変わらず付き合いのいいユノヒョンは、今日も友達に誘われてどこかへ出かけたみたいで





僕はいつも通りスーパーに寄って買い物をして帰ることにした




1人だしガツンと辛い豚肉炒めでも作ろうか……





そんなことを考えながら部屋に入ると、見覚えのあるスニーカーが無造作に転がっているのが見えた





……あ、れ?






「チャンミナおつかれ!!」


「……ヒョン?なんで///」


「なんでってチャンミナに会いにきたに決まってんだろ~?今日はバレンタインなんだぜ!!」




何故か得意げにチョコの紙袋を見せてドヤ顔のヒョン、それってちょっと高級なブランドのチョコレートじゃない?




「ひ、人から貰ったものなんていりません」


「貰ったものなんかじゃないよ、俺が買いに行ったの!!」




コートも脱げずにじっと佇む僕を引き寄せる逞しい腕、僕はあっという間にヒョンの腕の中にいて、当然抗うことなんて出来るはずもない





「チャンミナと食べようと思ってさ、でも……」


「……ユノヒョン?///」


「先にチャンミナを食べたくなった!!」


「!!ば、ばか!!///」






ほら、僕を見つめる瞳はチョコレートよりも甘くて優しくて






なかなか素直になれない僕だけど、そんなユノヒョンの言葉に涙が溢れそうになったのは内緒の話












































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. 僕らのレッドオーシャン










~Cside~








「オーラスお疲れ様!!」


「お疲れ様でしたー!!」



「随分と飲んだもんだなぁ、しっかりしろよチャンミン(笑)」



「……大丈夫れ~す」



「ほら、チャンミナ、しっかり掴まって」






11月から駆け抜けたビギアゲツアー、年が明けて迎えた名古屋ドーム、そして京セラドームの3日間




精神的にも体力的にもギリギリだったけれど、怪我もなく無事に終えることができた




久しぶりにドームで見るレッドオーシャンは感無量で、僕らを呼ぶファン達の声に胸が熱くなった




退役してから数ヶ月、不安だらけだったツアーを乗り切れたのは隣にあなたがいたから




打ち上げ会場からヒョンに抱えられるようにして部屋へと帰ると、フラフラの足でベッドへと倒れこむ




取り敢えずは一段落したから、今日はちょっと飲み過ぎちゃったかな





「チャンミナ平気?水飲む?」





心配そうに僕の顔を覗き込むアーモンドアイ、ああ、今日もあなたはカッコよくて可愛くて…




「……ユノヒョン、お疲れ様でした」



「何、どうしたの?」



「……僕、あなたの隣にいれて幸せでした」



「なんだよそれ、そんなの当たり前だろ?チャンミナは俺の隣にいないとダメなんだよ?」



「………はい///」



「ふふ、酔っ払いチャンミナ、今日も透き通るみたいに綺麗だったよ」



「……なんですかそれ?(笑)」



「うーん、なんて言えばいいんだろう、チャンミナは綺麗なんだよ、うん」





腕を組んでうんうんと頷くユノヒョン、こんなにゴツイ体をした男なのに綺麗だとか





「でも……時々消えそうで怖くなる」


「……ヒョン?」


「だから手を繋いでいこう?二度と離れないように」



「……はい///」



「目指すは7万人のレッドオーシャンだ」



「!!……はい!!」






見える、見えるんだ


掛け声と共に揺れる無数のペンライト


僕らのレッドオーシャン







そこが僕らの居場所だから……!!
































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. 僕が護るから









~Cside~







………僕は空を見ていた


ユノヒョン越しに見える小さな窓から








「……次は日本、ですか」


「ああ、疲れてるとこ悪いけどさ、おまけにハリケーンの影響で飛行機がちょっと」


「……飛行機?」







僕が退役してから間も無くして行われた本国でのファンミーティング、そして今回のマカオ




……どうやら僕達は雨の神様に相当好かれているらしい




ハリケーンの影響で一時は開催が危ぶまれたものの、どうにか公演を無事に終えて




僕らはまた機上の人となった




いつもとは違う小さめの飛行機で、ファンミーティング帰りのファン達と一緒に帰ることになるなんて



みんな見て見ぬ振りはしてくれているものの、隣のユノヒョンは既に夢の中とか




……疲れてるんだよね、当たり前だ




やっとあるべき場所に戻ったのはいいけれど、韓国と日本を挟んでのカムバックスケジュールは怒涛すぎて




ありがたいことなんだろうけど……




見かけのおおらかさとは違う繊細なユノヒョンは、自分なんてそっちのけで無理をしてしまうから




心配、なんだよね





隣でもたれかかるヒョンの頬には吹き出物ができているし、サングラスの下にはクマだってある





……少しは休めるといいな





ずっと離れていた二年間はとても辛くて早く逃れたくて






やっと、帰ってきたんだ……






あなたの隣にいる日常に


あなたと作り上げていく僕らの時間に






ねえ、ヒョン



この二年で僕は少しは大人になれたと思うんだ


ヒョンと離れて、家族と離れて


自分よりずっと若い子達に囲まれて





だから、だからね


遠慮なく頼っていいんだよ






誰よりも強くて誰よりも脆い人






今度は僕がヒョンを護るから


ずっとずっと護るから




































































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. ブロマンスな夜







久々にリアルホミン*ˊᵕˋ)੭

~Cside~







「ヒョン、もう寝ないと明日も早いですよ?」


「ん……ここまで読んでから」




ホテルのソファに腰掛けてページをパラリと捲る姿はまるで雑誌から抜け出たようで




ほんと絵になる……




本当に久しぶりの2人での仕事、プレスツアーと銘打って会見を開いたり、インタビューに応えたり




2人でいれなかった時間は体調管理も大変だったみたいだけど、ユノユンホに戻る前にすっかり痩せちゃって、ちょっと心配したんだよね




お肌だってツルツルだし、ますます小顔になっちゃって……




「どうした?」




ぼんやりと考え事をしながらヒョンを眺めていたら、流石に視線に気づいたのかヒョンがこちらを見つめていた




あ……その顔好きだな////




「こっちおいで」


「………////」





引き寄せられるように近づくと、腕を引かれてふわりとヒョンの香りに包まれる



「……ヒョン、痩せたね」


「ん、チャンミナには敵わないよ?」


「……僕の方が大きいみたい」


「こんなにすっぽりと腕の中にいるのに?」


「か、顔だって僕の方が大きいし////」


「瞳が大きいからそう思うんだよ、何、ほんとどうしたの?(笑)」




髪を撫でながらクスクスと笑うアーモンドの瞳はどこまでも優しくて、僕は何だか切なくなってしまう



せっかくヒョンの隣に帰って来たのに、まだ髪だって伸びてないし、言葉だって上手く話せないし




「……チャンミナが帰って来て本当に良かった」


「……////」


「ずっとね、隣を見ちゃうんだよね」


「……ヒョン////」


「いないと落ち着かない、きっと何年たっても」


「………はい////」





そんなの僕だって同じなんだ


いつだってヒョンの隣にいたいって思ってる


ファンのためとか、家族のためとかじゃなく


僕らはお互いが唯一無二の存在で……


離れていてもまるで磁石のように引き寄せあう






「……ヒョン、好きです////」


「……何、チャンミナ誘ってんの?///」


「……ばっ!!////ぼ、僕は先に寝ますから!!」


「チャンミナ~照れるなよ、一緒に寝てやるからさ♡」


「こ、こないくていい!!////」




狭いソファの上ででかい男が2人で揉み合って、ああ、こんな日常が戻ってきたんだって





そんな些細な事が幸せで…





こういうのがヒョンの言うところのブロマンスなのかもしれないな(笑)





























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. プロフィール

紫苑☆

Author:紫苑☆
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